VAGABOND 第12回
旬の食材富山の白エビ
今月のひらみぱんのサブスクでは、北陸ご当地パンとしておとなり富山県名物、旬の白エビを用いたパンが登場。富山湾の宝石と呼ばれる白エビは、透明でほのかな薄紅色をまとい、淡白で上品な甘みを感じます。天ぷらやから揚げ、すまし汁にぴったりの白エビ。ひらみぱんではガーリックバターとチーズ、ホクホクのじゃがいもと合わせてハードタイプのお惣菜パンに仕上げました。白エビの旨みとガーリックの香りで初夏のビールのお供にも抜群の一品に仕上がりました。
Promenade dans Kanazawaかなざわさんぽ
花菖蒲園(卯辰山公園)
観光名所の東茶屋街から少し登った卯辰山中腹の花菖蒲園では、毎年6月中旬~下旬にかけて花菖蒲やアジサイが見ごろを迎えます。約100種20万株の花菖浦と、2,900株のアジサイが植え込まれており、白や水色、紫、ピンクの花々が初夏の園を美しく彩ります。園を上まで登り振り返ると、花と共に市街の景観を楽しむことができます。
パンの歴史
バゲットの起源には諸説あり、ナポレオンが兵士達のポケットに収まるように細長い形のパンを作らせた話が有名。他の説では、1898年パリ地下鉄工事に伴いフランス各地から労働者が集まりましたが、価値観の違う人間が集まれば争いごとが起きるもの。パンを切る刃物は危険なため使用を禁止し、素手でちぎれるパンを作るようパン職人に要請したとか。
もう一つはフランス革命の頃。民衆が食料不足で苦しむ一方、貴族が毎日白いパンを食べていることに対し、暴動が勃発。後に君主制は崩壊、革命後の政府が1793年「全てのパン職人はただ一種類の、平等なパンのみ作ること」と宣言しバゲット誕生のきっかけとなったという説も。
パンと絵本
「おだんごぱん」(ロシア民話 瀬田貞二/訳 脇田 和/画 福音館書店 1966年)
リズミカルな文章に、転がり始めるぱんを見つめるおじいさんとおばあさんの何ともいえない表情。あっ、と思わず口にしてしましそうなラスト。絵を描いた脇田和さんは金沢にもゆかりがある画家で、加賀藩の武士、脇田家の家柄。脇田家屋敷跡は現在では兼六園隣の「玉泉園」となっています。
星の王子さまの日
6月29日は、フランスを代表する名作『星の王子さま』の作者、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの誕生日、そして「星の王子さまの日」。全ての人間と動物、植物がより良い環境で共存できる世界を願い、サン=テグジュペリ財団が定めた国際的な記念日です。
”Le plus important est invisible(大切なものは目に見えないんだよ)”というメッセージが心に響く珠玉の一冊。この機会に読み返してみてはいかがでしょうか。
サン=デグジュペリ/作 内藤 濯/訳 日本語版 岩波書店 1962年